第9章 全てを委ねて
花子 side
ーお前は、俺が必ず守る。ー
ロー君はそう言ってくれた。その時は凄く嬉しかったし私も彼を支えたいと思った。でもふと思う時がある。私の存在が彼の重荷になっているんじゃないかって。
(だから…私は逃げ出したの。)
いつか彼に捨てられる日が来るんじゃないか…あの幸せな日々を失ってしまうんじゃないかと思うと怖くなった。
「それに、私今の生活が気に入っているの!だから…一緒には行かない。」
「「…。」」
カランとグラスに溶ける氷を指で遊ばせそう言うと2人は納得していない様に顔を顰めた。ロー君ともこうやってお酒を一緒に飲んでたなぁ…。
ーおい、飲み過ぎだ。ー
ー何よぉ~!まだまだ、いけるわよ~!ー
ー明日、辛いのはお前だぞ…。ー
「ふふふっ…。」
結局、二日酔いになってベットから1日出られなかったっけ?呆れた顔をしながらロー君は私のお世話をしてくれたなぁ…。
「…俺等といるのに他の事を考えてるとは酷いじゃないか。」
「そのロー君の事でも思い出していたのか?」
「んぇ…?」
気付けばシャンクスさんとベックマンさんに挟まれててぼぉっとする頭で2人を見上げれば、シャンクスさんの顔が近付いてきた。
「ん…ふぁっ…ンん…」
「おい、お頭。抜け駆けは無しだろ?」
「早い者勝ちだ。」
最後に私の唇をシャンクスさんはペロリと舐め唇を離した。お酒と気持ちの良いキスに頭がふわふわとしていると、突然身体が宙に浮いた。
「ベックマンさん…?」
「お前は何も考えなくて良い。」
ちゅっと額にキスをするとベックマンさんは私を抱え、シャンクスさんが開けた寝室へと向かう。ベットに下ろされると、後ろにはベックマンさん、前からはシャンクスさんが何だか楽しそうに私を見下ろしている。
「…結局、こうなるの?」
「本当は花子を口説き落としてからにするつもりだったが…。」
「お前の意思が思ったより固かったんでな。」
するすると手際良く私の服を脱がす2人に、手慣れているなぁ等と呑気に眺めている私は自分で思うよりお酒が回っているのだろう。
「「まずは、身体からじっくりと愛してやるよ。」」
私を見下ろす2人の瞳は獲物を見付けた捕食者の様にギラ付いていて、その鋭い眼光に身体がゾクリと震えるのを感じた。