第7章 この匂い嫌い?
「んんっ、もっ、はぁッ、な、にッ」
風呂から戻ってくると急に強く抱きしめられ、口内を犯されるコノハ。
さっきしたばかりだと言うのにローのキスによって体が熱を帯び始め、それを悟られないようローの胸を強く叩く。
「…なんだ。」
口元を拭う色っぽい仕草に全てを預けそうになるも、グッと堪える。
「ッハァ、ハァ…、なんだじゃないでしょ!ごーはーん!」
「ったく。」
ジタバタと手を動かし子どものように叫ぶコノハの手を取り、食堂へと足を向ける。
風呂からあがったコノハの姿に居ても立っても居られなくなり、強く抱きしめそのまま求めてしまった。
あのままコノハが止めなかったらまた抱いていただろう。
「やっとご飯ー!いただきます!」
ベポ達が作ったご飯を次々と口に運びこんでいくコノハ。
「本当によく食うな。そんだけ食ってりゃ、背伸びるんじゃねェか?」
「今更伸びるワケない!でしょ…」
クックッと笑うローに胸が鷲掴みにされたように跳ね、つい声が小さくなってしまった。
「うぅ〜。」
片手に茶碗を持ったままその胸の苦しさに机に突っ伏していると、いきなり手を握るロー。
「おい、どうした。」
顔を上げると心配そうに自分を見るローについ笑みが溢れる。
「んふふっ、ローの笑った顔見たら心臓痛めつけられたみたい。」
「…俺が笑っていた?いつだ。」
身に覚えがない言葉に目を見開いていると、体を起こすコノハ。
「今さっきだよ〜。お風呂入る前も私のお腹の音聞いて笑ってたじゃん!」
確かに笑ってはいたが、そんな事で嬉しそうにするコノハに心が温かくなり、自然と口元が綻ぶロー。
「ふふ、また笑ってる。」
「…うるせェ。」
顔を背けたローの耳がほんのり赤く、その姿にまたも心臓が飛び跳ねる。
それを隠すように箸の動きを再開させると、ローも後を追うように食事を再開させた。