第7章 この匂い嫌い?
ガチャンと扉を閉めると巻いていたタオルを奪い去り、扉にコノハの体を押し付ける。
「っ!…本当にごめんなさい。でも話を聞いて?」
「…後でな。」
顎を掴み顔を上へ向けると噛み付くようなキスをするロー。
「ん!んんっ!」
渾身の力で胸を押し返すも全く歯が立たないコノハ。
そうこうしているうちにローの舌が口内へと侵入する。
「はっ、ろぉッ!んっ、ふッ、んんッ」
舌をしつこく絡めとられ、行き場を無くした唾液が口元から漏れるとそれを舌で掬うロー。
「ん…、ハァ、ハァ」
唇が離れたところで酸素を取れ入れていると、ローが肌に張り付くTシャツの上から胸を揉みしだく。
「やっ、あッ…、ロ、ロー!話をッ、聞いて!」
その言葉に手の動きを止めると紅潮した顔で自分を見上げるコノハ。
「そ、そのっ、ちゃんと後で、…するからっ。まずは話を聞いてほしい。また意識失っちゃったら、話すの明日になっちゃいそうだからっ…。」
「…別に話すのが明日になっても俺は構わねェが。」
それよりもこの収まらない自分のソレと怒りをどうにかしたい。
「だっ、だめ。今話したいから聞いて?」
コノハに見つめられたら敵うはずもなく、ため息を吐くとソファーへ座らす。
「…話せ。」
短く一言口にすると頷き、ことの経緯を話し出したコノハ。
それを聞き終えるとローは目を細め何かを考えていた。
どうもおかしい。
ズボンを履いていないことはコノハの習慣上、仕方のないことだ。
慌てたコノハが自分の格好を気にする事なく、真っ先に夕飯の心配をするのも頷ける。
だがどうして服は濡れている?
寝汗だとしてもこんな量の汗はかかない。
なら熱があるかもと首に手を触れても至って普通の体温。
「悪ィ夢でも見たのか。」
その言葉にコノハが顎に手を置いて何かを考えている。
「…それが、思い出せないの。」
自分を見上げるコノハの目は嘘をついていない。
「なにか大切な事を言われた気がするんだけど、…ダメだ、それしか分からない。」
寝汗をかくほどの夢を見たのにその内容を思い出せないというコノハ。
うーんと唸るコノハを抱き抱えるとローはベッドへと足を運んだ。