第7章 この匂い嫌い?
「っあー!!待ってコノハ!!」
いきなりベポに叫ばれ体が驚き、躓きそうになるもなんとか体を起こす。
「ど、どうしたの?」
後ろを振り向くと自分を指差す3人。
指の刺す方向に視線を落とそうとした時、食堂の扉が開いた。
「…うるせェな。もっと静かに飯食えねェのか、お前ェらは。」
現れたのは上半身裸で肩にタオルをかけるロー。
ローの登場に顔を綻ばすコノハと、一気に青ざめた顔でブルブルと震えだす3人。
コノハの気配に気付きそちらを向くと、切れ長の目が一気に丸くなる。
「テメェ…!」
動くが早いか一気に距離を詰め寄ると、肩にかけていたタオルを3人に見えないようコノハの目の前に広げる。
「どうしー
「…なんでそんな格好でうろついてる。」
地を這うような低い声に体が跳ねる3人。
「…テメェら、見たな。どうせ鼻の下伸ばしてアホみたいな面してたんだろ。」
「キャプテン、聞いてください!オレらは今からコノハに伝えようとー
「あぁ、1人につき臓器一つで勘弁してやる。」
ローの言動に頭がついていかず、ふとタオルで隠された自分の体に視線を落とす。
自分が身に付けているのは、汗で体に張り付き下着が透けている長めのTシャツ一枚のみ。
研究してた時履いていたズボンは恐らく寝ながら脱いでしまったに違いない。
…なんてことをしてしまったんだ。
「ロー、待って!悪いのは全部私だから!ベポ達は確かにこの格好を伝えようとしてたの。」
ひとまずこの場を丸く収めようと、タオルを持つローの手を握る。
「そうか。なら来い。」
持っていたタオルをコノハの体に巻き付けると、軽々と肩に担ぐロー。
「待って、歩けるから!」
背中をポカポカと叩くコノハを担いだまま食堂を出るロー。
扉が閉まるとその場の空気が一気に変わった。
「アアアア、またコノハに助けられちまった。」
「これからお仕置きだな〜。」
「もう本当にコノハゴメン〜。」
コノハが原因とはいえ、またも助けられてしまった3人。
冷めたご飯を口に運ぶとやっぱりコノハのご飯が一番だと思う3人だった。