第6章 女は大切にするんだぞ
ローは全てを話した。
フレバンスのこと、珀鉛病のこと、世界政府による陰謀で戦争がおき家族を失ったこと。
ドンキホーテファミリーに入り、コラさんが自分の病気を治すために命を落としたこと。
その時オペオペの実を食べたこと。
ベポがシャチとペンギンにいじめられていたのを自分が助け、それがきっかけで仲良くなったこと。
そして、コラさんの仇を討つためにドフラミンゴを倒そうと思っていること。
話終えたローは自分にもたれ掛かるコノハの頭を撫でる。
「なぜお前が泣くんだ。」
「…っ、ごめん、なさい。」
ローの過去を軽々しくも聞きたいと言ってしまったことに後悔をするコノハ。
自分よりも壮絶な過去を持つロー。
愛する人を立て続けに失くし、その時のローを思うだけで涙が溢れる。
止まらない涙を拭っていると、頬を優しく包み込むローの手。
泣きじゃくるコノハの顔を自分の方へ向けると、再び口を開く。
「…ようやく心を許せたコラさんが死ぬ時に、俺に愛していると言ったんだ。俺は22年間、その感情が分からなかった。…コノハ、お前と出会うまではな。」
「うっ、んくっ、うぅ…」
「お前とは出会ってまだ1ヶ月そこらしか経ってねェが、俺はお前を必ず守ると決めている。頼むからもう泣くな。それと、何か言いたいことがあるなら必ず言え。」
返事ともとれるようにゆっくりと瞬きをするコノハ。
溢れる涙を指で拭い、触れるようなキスを落とす。
「うっ…、話してくれてっ、ありがとう。」
自分に抱きついてきたコノハをすっぽりと腕の中へ収めるロー。
嗅ぎ慣れた石鹸の匂いに下半身が熱を帯び始める。
今はそんな雰囲気ではないのに、コノハが隣にいるだけで反応してしまう。
己の邪念を拭うかのように口を開いた。
「…それで、次はお前の番だ。」