第6章 女は大切にするんだぞ
「あっ、えーと、あの時ね…」
自分でもどこを歩いているか分からなくなって、俯きながら酒場の前を通るといきなり声をかけられた。
声のする方を見ると、赤色の髪の毛の人物が笑顔でこちらに手を振っている事に気付く。
会釈だけしてその場を通り過ぎようと思ったけど、気付いたらその人が隣に立ってて、腕を引かれて隣に座らせられた。
みんなに男関係で悩んでるって指摘されて頷いてしまい、あの時の事を話した。
自分の彼氏は男の人なのに色気もあってカッコいいし、間違いなくモテる。
自分はこんなんだから、そもそも釣り合っているのかと。
ある人はその女の人を見たいって言ったり、またある人は私の見る目がないって言ったり。
そしたらシャンクスさんが、女を泣かせる男は格好悪いなんて言うもんだから、つい声を荒げてしまって一瞬その場が静まり返った。
殺されると思ったけど、意外にもシャンクスさんは笑ってた。
お前の彼氏はきっとそういうところに惹かれたんだなって。
言われた意味は分からなかったけど、ローの事を格好悪いなんて言われたのが許せなくてまた泣きそうになってたら、お前の彼氏は絶対ここに来るからそれまで楽しく飲もうって言われて、一緒に飲んだ。
そっからはシャンクスさん達の航海についての話だったり、自分の麦わら帽子を託した男の子に今後会うような事があったら仲良くして欲しいって言われたり。
自分が悪いって思ってるならきちんと謝ればいいし、そう思わないなら無理に謝らなくていいってシャンクスさんに言われて、その後ローが来た。
「…と、まあこんな感じです。」
涙で少し腫れた目をショボショボさせながら上を向くと、耳が赤くなってるローと目が合う。
「…なんだ。」
「えっ、なんだって…。話終わりました…」
そうかとだけ呟くローはそのままコノハを横に抱くとベッドへ向かう。
ふわりと降ろされたコノハはズボンを高速で脱ぎ、布団に入る。
ローも布団に入るとコノハを抱き締め、ひんやりとした太ももに己のそれをズボン越しに押し当てる。
いつもなら何かしら反応をするコノハが、今日は何も反応がなく耳を澄ませると小さな寝息を立てていることに気付く。
「…ハァ」
今日のところは許してやる、と己の熱を感じながら石鹸の匂いに包まれながら目を閉じた。