第6章 女は大切にするんだぞ
夜になり、いつものようにソファーで本を読んでいるロー。
食堂で少し寂しい顔をしていたコノハ。
自分から何か言ってくるだろうと思い、ずっと待っているが夜になっても何も言ってこなかった。
あの後自室へと連れてきたコノハに今日の予定を聞いたロー。
町へ出るなら一緒に行こうと思っていたが、あんなに他の島に行けることを楽しみにしていたコノハから出た言葉は、意外にも船でゆっくりしたいとのことで、彼女の気持ちを尊重し自分も船に残った。
日中コノハは船内の掃除をしたり、デッキで自分の隣で本を読んだり。
日が落ちてくると各々風呂に入り、コノハが作った夜ご飯を2人で食べた。
会話こそいつも通りなものの、どこか空元気に見えるコノハ。
普段なら薬の調合や研究を済ませたコノハが目をこすりながら先にベッドに入り、自分が後を追うようにベッドに入る。
それが今日は待てども動く気配はない。
自分に背を向けデスクの椅子に腰掛け、本に目を通すコノハ。
ここまでならいつもの光景だが、今日は本のページをなかなか捲らず同じページをずっと眺めているだけ。
今までの自分なら、女のこういった意味分からない行動などただ面倒臭く特に触れてもこなかった。
コノハと出会い自分の気持ちに気付いてからは、彼女の一つ一つの行動が気になってしまう。
「…コノハ、いつまで同じページを見ている。それにお前、いつもなら眠くなるはずの時間だぞ。」
普段なら薬の調合や研究をしている時は話しかけないようにしているローも、さすがのコノハに声をかけた。
「ちょうど今から寝ようと思ってたとこだよ。ローも寝る?」
こちらを振り向き椅子から降りると、いつものスタイルで寝ようと履いていたズボンを脱ごうとするコノハ。
「…話があるから、ズボンは脱ぐな。隣へ来い。」
自分の隣をポンポンと叩くローの言葉にコノハは頷くと、ズボンを履き直しローの隣に座った。