第5章 また見惚れてんのか
鍵が勢いよく閉まる音に目を向けると、そこには気のたった目つきで自分を見下ろすローの姿。
掴まれていた腕を勢いよく引っ張られると、背中には冷たいドアの感触。
顔の横についた手が顎を掴んだと思った途端、噛むように口づけをされる。
「ん〜っ!ろぉさ…ん!んぁっ、ふっ…ん!」
いきなり入ってきた舌に戸惑いながら、ローの胸を押そうとするも力に敵うはずもなくその手を頭上で纏められてしまう。
逃げる舌を捕まえられて吸われると、今度は長い舌が口蓋をなぞり、自然と体が震えた。
「ふぁっ、んぅっ…、んんっ、んくっ…」
2人分の唾液を喉に押し込められ反射的に飲むと、飲みきれなかった唾液が口の端から漏れ出し、ローの顎を伝う。
吐息まで飲むこむような口づけに意識が奪われそうになっていると、唇を離される。
「…っ、ハッ…ハッ…ハッ…。」
突然の事に驚き、生理的な涙を目に浮かべ見上げるとそこには獣のような目をし、顎に伝う唾液を手で拭うローの姿。
「お前は誰のものかハッキリさせる必要があるみてェだな。後ろを向け。」
これからされるであろう事に肩をピクリとさせると、抵抗できないと悟ったのか己の指示に従うコノハ。
栗毛色の綺麗な長い髪をかき上げ、純粋無垢な彼女を表すかのような白い肌に誘われるように唇を這わせると、頸に所有の跡をつける。
「んっ、痛っ…なっ、なに?」
キスマークなど付けられた事もないコノハは、痛みの原因を知るはずもなく、されるがままに受け入れる。
「あっ…、んっ」
頸から首にかけてその跡を付けると、コノハの顎を掴み後ろを向かせ再び唇を奪う。
「ん、ふぁっ…はっ、んんっ…」
唇を啄み、薄く開いた口に舌を入れると口内を犯すようにうねるローの舌。
与えられている刺激に足が震え崩れ落ちそうになると後ろからお腹に手を回され、唇を離される。
「ハァ…っ、ローさん、私っ、なん、かッ、ぼーっとする…」
誰も見た事のないコノハの顔に優越感と独占欲が頭を巡り、下半身に熱を持たせる。
「…クソ。人の気持ちも知らずに煽るような顔してんじゃねェ。」