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魔法の手【ONE PIECE】

第14章 あの人だけのものだから


「ハァ、ハァ…」

唇を離し、厚い胸板に額を預ける。

肩で息をしていると、大きな手が頭に置かれた。

「大丈夫か。」

少し呼吸を乱しながら手を滑らせ頭を撫でるロー。
優しい手つきに安心して、体にどっと疲労感が押し寄せる。

「ん、寝ちゃいそう。」

下がる瞼をこじ開けるように、額をぐりぐりと胸に押し付ける。

汗をかいているというのにローの体からは良い匂いしかしなくて、それがまた眠気を誘った。

「まだ寝るな。もう少し付き合え。」

閉じかけの瞼が止まる。

「え…?」

嘘でしょう?まだするの?

顔を上げた先には、数分前の情事など無かったかのように涼しい顔をしたローがいた。

「ベッドに行くぞ。」

お前に拒否権なんか無いと、この目は言っている。

「ちょ…と、ま、っ…!」

有無を言わさずローは繋がったままの私を抱き抱えた。

こういう時のローは果てしなく頑固だ。
いや、こういう時だけではないけれど…

なんて言えば彼を止められるのか、そんなことを考えているとあっという間にその時はやってきた。

ぽすんとベッドに降ろされ、背中に伝わるシーツの感触。

「ねぇ、き、聞いてる…?」

目の前の厚い胸に手を置き、必死の抵抗を見せる。

「あぁ。」

良かった…。

体を起こし、離れていくローに少しホッとする。

「このまま終わると思ったか?俺はさっき、もう少し付き合えって言ったハズだが。」

心の内を読まれ、心臓が跳ね上がった。

いや、心臓が跳ねたのはそれだけが理由じゃない。

喉をクツクツ鳴らすローのソレが、だんだんと固さを取り戻してきているからだ。

「だ、だって、花火、見れなくなっちゃう…!」

「あぁ、なら少し激しくなるが早めに終わらせる。本当はゆっくりヤりてェところだが。」

そう言っている今も、ソレは私の中で元の大きさに戻りつつある。

あぁ、なんて強情な人。
結局私に拒否権なんて無いじゃないか。

「っ、ローのえっち!」

「ククッ…なんとでも言え。」

艶かしい笑みにお腹の奥がきゅっと疼く。

それを悟られないよう静かに生唾を飲み込むと、その口角が更に上がったような気がした。
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