第14章 あの人だけのものだから
「ぅああ…ッ!また、くる……!」
何度目かの絶頂を迎えようとしているコノハの手が、足の間で動く頭を押さえた。
しかしそんなのは無駄な抵抗。
中で蠢く長い指と熱い舌に誘われ、小さな体は絶頂へと導かれていく。
「は…ぁっ…!」
目の前に火花が散り全身の力がくたりと抜ける。
背中を預けていた壁からズルズルと体勢を崩しそうになるも、腰に回された手によって強制的に立ち上がらせられてしまう。
「も、無理…立てないよ…」
立ったまま何度も愛撫をされ続け、足腰共に限界だ。
「弱音を吐くには早すぎるな。まだこれからだぞ。」
口に弧を描くローは、顎に付いた愛液を拭う。
「しっかり捕まってろ。」
体を押し付けられたかと思いきや、耳元でそう囁かれた。
すると同時にローの固いモノがズプリと侵入してくる。
「ん…ぅあッ…!」
鏡に映るコノハの顔が歪む。
「クッ…、もっと力を、抜け…。」
そう言われてもただでさえ慣れない体勢で力なんて抜けるワケがない。
首をフルフル振ると大きな手に顎を掴まれた。
「ふ…ッ、ぅ…ん!」
顔だけ後ろに向かされ、重なる唇。
さっきまで秘部を愛撫していた長い舌が口内に押し込まれる。
迎えた舌は生き物のように呻り、徐々に酸素を奪っていく。
「ろ…、ろぉ…ッ、んふ…ぅッ…!」
意識を戻すかのように奥へ深く刺さるローのモノ。
洗面台にしがみつくコノハの腰を捕まえたローは、奥歯を噛み締めながら腰を打ち付ける。
「なァ、すげェトロけた顔してんぞ…ッ」
「んや、ぁッ…!」
耳元で聞こえる荒い息遣いにコノハの肌が粟立つ。
「見ろよ…」
「い、やぁッ…」
またも顎を捕まえられ、強制的に顔を上げられてしまったコノハは鏡に映る自分の姿に目に涙を溜めた。
「見、たくない…!」
大きな鏡に映る自分はだらしない顔をしていて、初めて見る自分の顔に羞恥で一気に顔が熱くなっていく。
「ハッ、なんでだよ。俺はすげェそそるが。」
揺れる瞳が、薄く開いた唇が、コノハの全てがローにとっては起爆剤となる。
「お前は…ッ、本当に可愛いヤツだ。」
聞こえないくらい小さな声で囁くロー。
どうしようもないほど愛おしく思う気持ちが、ローの腰の動きを加速させていく。