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魔法の手【ONE PIECE】

第13章 約束して



「…どうだ。できそうか?」

医者モドキ達に薬を飲ませたところで、ローから話があると言われた。

一瞬何のことかと思ったが、話を聞いているうちにメラメラと闘争心のようなものが沸き起こってきた。

「やる。期限は?」

「ログはあと5日で溜まる。6日後に出航だ。」

「分かった!」

それなら早く船に戻らなくては。

立ち上がり玄関に向かおうとした時、足が躓き体がよろめく。

「っとと…!…ふふっ、ありがとう。」

今にも転びそうな体を長い腕が捕まえる。

「ったく、お前ってやつは。」

そう言ってローは軽々と体を抱き上げた。

ってあれ、何この体勢…

「ロー!もう躓かないから!降ろして!」

みんなが見ている前でこの体勢は恥ずかしすぎる。

「ダメだ。外は強風だ。転んで飛ばされたりでもしたら困るからな。」

「お願いー!」

コノハの願いも虚しく、ローはそのまま玄関へと向かって行く。

「俺はコノハと船にいる。何かあったら来い。とりあえずは自由行動だ。」

「「「アイアイサー!」」」

最低限の言葉を残したローは玄関の扉を開け、コノハを抱き上げたまま外へと出て行った。


「アンタらの船長、カッコいいな。」

ローが出て行ってから医者モドキの1人が呟く。

「そうだよ!キャプテンは本当にカッコいいんだ!」

自分たちの船長を褒められ、嬉しくなったベポが自信満々に胸を張る。

「男のオレらでも惚れそうになるぐらいな!」

「シャチ、それは間違いねぇな!」

自分たちの船長を褒められて喜ばないクルーはいないだろう。

2人も嬉しそうに胸を張った。

「いいなァ…仲間になりてェ…」

「オレも…」
「俺も…!」
「私も。」

1人の言葉を皮切りに、医者モドキ達が口々に思いを漏らす。

「っあー…、そういうのはキャプテンに直接言ってくれよ!俺らじゃどうもできねェ。」

新しい仲間…
密かに胸を躍らせるシャチは、気持ちを抑えるようにサングラスを掛け直す。

「もしもお前らが仲間になったら、俺は毎日コキ使いまくるからな!」

「もうペンギン。キャプテンがいないからって調子に乗って…。」

既にその気のペンギンに、ベポはタジタジだ。


「…。」

この先、医者モドキ達が彼らの仲間になるかどうか。

見守っていたマルコも密かに楽しみにしているのである。
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