• テキストサイズ

魔法の手【ONE PIECE】

第13章 約束して



ベポ達が買い出しに行っている間、ローとコノハは薬屋に来ていた。

店の中を何周もしていたコノハは、会計を済ませようとカウンターへ近付く。

「おじさん、お会計お願いします。それと、私が調合した薬を買い取ってくれませんか?」

何も言わずコノハを見ていたローが隣に立つ。

「おい、じじい。全部でいくらだ。」

ポケットに入れていた手を出したローは、カウンターに無造作に金を置いた。

「ちょっと、ロー!私の研究に使うやつなんだから私が買うの!前に約束したでしょ!」

散らばったお金を集めローの手元に返す。

これぐらいは自分で買いたい。

「約束はしてねェ。今回は俺が買う。」

不服そうな顔をしたローは再びカウンターに金を置く。

こうなったらお互い譲れない。
店主はただ苦笑いで2人を見ている。

頬をふくらませるコノハに、眉間に皺を寄せるロー。

頑固者同士が言い争いを繰り広げている傍ら、一人の男が近付く。

「お嬢ちゃん、男は出したモノは引っ込められねェんだ。有り難く受け取っておくんだよい。」

お嬢ちゃんって私のこと?

いつのまにか隣に立っていた人物を見上げる。

パイナップルのような髪型。
ローよりも背が高く、こんな寒い島だというのに服装は薄着。
おまけにサンダルだ。

「あ、えーと…?」

この島の人?

「それと、これは嬢ちゃんが調合した薬か?ちょっと確かめさせてくれよい。」

そう言ってパイナップルの人はおじさんから瓶を受け取る。

効能を紙で確かめたあと、こちらにニコリと微笑んだ。

「これは痛み止めと鎮静が一緒になっているのか。お嬢ちゃんは良い薬剤師さんだよい。」

「あ、ありがとうございます…!」

咄嗟に頭を下げる。
褒められたので素直に嬉しい。

この人も医療に精通しているのだろうか。
ぱっと薬を見て効能が分かるなんて普通の人じゃありえない。

「自信を持てよい。」

パイナップルの人はまた微笑んで私の頭を優しく撫でた。

っと、ちょっと待って、それは…

「…さっきからテメェはなんなんだ。人の女に勝手に触んじゃねェ。」

恐る恐る後ろを振り向く。

するとそこには、こめかみに青筋を立て今にも鬼哭を取り出そうとしているローがいた。
/ 225ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp