第12章 まるで魔法だな
「さァな。それより…」
形の良い尻を手で包み、ローは喉を鳴らす。
「この体勢ではまだシたことがねェな。」
細い腰をいやらしく撫でれば、小さな体が跳ねた。
「んっ…、ちょっと!今はダメ!腰がー
「なら次だな。」
クツクツと笑うローに体が固まる。
事前に言われてしまうと、それはそれで恥ずかしいのだが…
「わ、分かった…。」
だとしてもローには抗えない。
結局いつもこうなってしまうのだ。
「それと、だ。むやみやたらに貰ったモンを口にするな。」
ローが指を示す方向には、サイドテーブルの上に置かれた小瓶。
「気を付けます…。」
数時間前の事が頭によぎり、身体中の血液が顔に集まる。
体が疼いて仕方がなかったとはいえ、確かに自分でも乱れすぎたと思う。
もうあんなのは2度と御免だ。
「あれだけ素直になるなら媚薬を使うのも悪くねェがな。」
目の前で悪魔のように笑うローに、体がブルリと震える。
もはや何も言い返せないが、このまま引き下がる訳にもいかないので、太ももに置かれた手の甲を小さく抓ってみた。
「てめっ…!」
「わっ!?」
いきなり腕を引っ張られたかと思えば、背中にシーツの感触が広がる。
マズイ。
今回は本当にマズイ。
「ちょっと、待って!本当に今は無理だってば!」
覆い被さるローの目は完全に獣の目をしていて…
「腰が痛ェならあの体勢は次で構わねェ。今回は俺が動いてやる。」
地を這うような低い声に、体が硬直する。
なんて余計な事をしてしまったのか。
数秒前の自分が犯した過ちにコノハは絶望した。
「ロー、まっー
「却下だ。」
その後コノハがローに激しく抱かれたのは言うまでもない。