第11章 触らないで
昼寝をしていたコノハの胸に、突如ヒンヤリとした感触が走る。
「んん…。」
身を捩ってもその感触は消えない。
そればかりか、そのヒンヤリしたものは身につけている下着をずらしおもむろに自分の胸を揉んだ。
「はっ!?」
その感触に頭が一気に覚醒する。
体を起こそうにも重くて起こせない。
首だけ起こすと大きな瞳にはある人物が映る。
「ロ、ロー!何してるのっ…!」
乳房を掴んだままのローと目が合い、理解不能な状況に頭の中が混乱する。
「ククッ…、気持ち良さそうに寝てたんでな。もっと気持ち良くしてやろうと思ってたところだ。」
その言葉にコノハの頭は更に混乱した。
「何言って…ぁッ!」
話している途中だろうがローには関係ない。
揉みしだく乳房の頂きを口に含むと小さな体がピクリと跳ねる。
「んぁッ、あぁ…。」
突起を長い舌に転がされコノハの声には熱がこもる。
胸に埋まる頭に手を添えた時、その胸に鋭い痛みが走った。
「いっ…!」
何度も経験しているのにやっぱりその痛みには慣れない。
生理的な涙が浮かぶと、それに追い討ちをかけるようにローは次々と胸に歯を立てていく。
「ロー!痛いよっ…!」
遂に溢れた涙が頬を伝う。
それでも執拗に胸を噛むローにコノハの頭には一抹の不安がよぎる。
「もしかして、ペンギンと出かけたこと怒ってる?」
痛みに顔を歪ませながら聞くとローは顔を上げる。
「怒ってねェ。」
なんて嘘が下手なのか。
不機嫌な顔が急に接近したかと思えばそのまま口を塞がれた。
「んん、ろっ…。」
間髪入れずに侵入したローの舌は短い舌を追いかける。
なんだかんだでクルー相手に嫉妬しちゃうローがとてつもなく可愛い。
困ることもあるが、自分だけに見せるその姿はどこかくすぐられる。
そんなコノハの気持ちに気付いたのかローは短い舌を強く噛む。
「ん゛…ッ!」
ジンと痛みが走る舌を、ローは丹念に吸っていく。
痛みと気持ちよさのせめぎ合いに酸素不足が加わると、コノハの意識はどんどん薄れていく。
「んッ。」
その意識を呼び覚ますようにローは薄い唇を甘く噛む。
「もっと気持ち良くしてやる。」
口元に弧を描くローの表情に小さな体はブルリと震えた。