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魔法の手【ONE PIECE】

第2章 そうやって、笑うんですね



「………美味かった。」

少し冷めてしまったシチューを食べ、スプーンを皿に乗せたローがそう言うと、その言葉に驚いた顔でローの顔を見るコノハ。

泣いたり笑ったり驚いたり、表情がコロコロ変わる奴だとローが思っていると、その本人が口を開く。

「…っ、良かった!!です!ご飯中ずっと無言だから、美味しくないのかと思って心配でした!」

そう言われてみれば確かにそうだった。
つい自然と顔が綻ぶと、それを見たコノハの目が一瞬見開く。


「そうやって、笑うんですね。」

目尻を下げ嬉しそうに微笑まれたローは言葉を返せなかった。


しばしの沈黙が流れると、コノハは何かを思い出したかのように口を開く。

「あっ!遅くなってしまったけど、私の名前はコノハです。ずっとお前って呼ぶもんだから、いつ名前を言おうかと考えていたんです。やっと言えて良かった!歳は22です。腕の事は本当にごめんなさい。」

女の口にした年齢に自身の耳を疑った。
が、名乗られたからには自分も名乗らなければいけない。

「あぁ。俺はトラファルガー・ローだ。ハートの海賊団の船長をしている。それと医者だ。……待て、お前、22歳なのか……?」

「そんな事、嘘ついてどうするんですか。本当に22歳ですよ!」

今日何度目かの驚きに目を見開いていると、目の前で自分の真似をしているのであろう、腕を組みニコニコするコノハ。

「…ていうか、お医者さんだったんですね!!びっくり!……それと、私の名前はコノハです!お前って呼ばないでください、ローさん。」

「…あぁ、悪かった。俺も22歳だ。同い年だな、コノハ」

急に名前を呼ばれたコノハは勢いよく立ち上がる。

いや、驚いたのは名前を呼ばれた事よりも医者だと言われた事よりも年齢だ。まさか自分と同じだとは思わなかったんだろう。

それはローも同じなようで…。

自分と同じ歳だとは思いもしなかったローは、いきなり立ち上がったコノハの姿を目に映す。

よく見るとやっぱり背も低いし顔も幼い。
整った顔をしているものの、その顔は美人というよりも俗に言う可愛い系だろうか。その顔故に幼く見えてしまう。


驚きあった二人は同じ年齢という事もあり、少し親近感を沸かせながら食べ終わった食器を片付けた。
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