第1章 仮面を被った悪魔
私は一人、部屋に残された。
なかに埋まったままの玩具は私を掻き乱す。こんなもので感じている自分が嫌になる。
もう何回絶頂したか分からないくらい。絶頂する度身体はびくんと大きく震えて倦怠感を連れてくる。イク間隔はどんどん狭くなっていく。
甘い息と激しい快楽の波。頭が真っ白になる。電源が落ちたかのように目の前が見えなくなった。
そこで私の意識は途切れた。
***
___私は夢を見てる。
雅哉が壊れ物を扱うかのように私の頬を掬ってそのままキスをする。いつもじゃ信じられないくらい。
触れるだけの可愛いキスだった。愛おしそうに私を見つめる。その目は見たことがないくらい綺麗で、恐怖すら感じた。
夢だけど、唇を貪られているせいで息が苦しい。
『どうして______』
雅哉が何か言ったけど上手く聞き取れなかった。でも、どこか切ない顔をして苦しそうにしている。
『愛してるよ』
耳元でそう呟いた。顔が熱くなる。私の言葉は上手く口に出せなくて。喋りたいけど喉の奥につっかかったまま。
『だれにもあげやしない』
首筋に唇の感覚。チクッとした痛みが走って何が起きたのか分からない。
『俺だけの早織…………………』
首の吸い付いた場所を指先が伝う。恍惚とした表情で。それでいて悲しい青さを纏った目をしている。
そこで夢は途絶えた。意識が戻ってきて、視界がクリアになる。
「雅哉……………?」
起きた頃には私は自分の部屋のベッドにいた。そして私に馬乗りになっている雅哉。
「俺に反抗すんじゃねえ。お前は、黙って俺に従ってればいいんだよ!!」
私の手首をシーツに押し付けた。