第4章 刻まれた呪い
脳裏にチラつくのは昨日の夜のこと。雅哉に抱かれた。その事実は変えられないし無かったことにもできない。
触られたところが熱を持ってじくじくと疼く。だめ、思い出してしまう。
「永宮さん?」
「ん…………っ、え?」
「今から委員長の集まりあるから。一緒に行こうよ」
副委員長の清水凌太くんに声をかけられた。完全に忘れてた。先週伝えられたのに、声かけられるまで気づかないところだった。
「忘れてた。声掛けてくれてありがとね清水くん」
「そんなことだろうと思ったよ」
委員長を任されたのだって雅哉のせいだ。雅哉の妹だからってお兄ちゃんみたいに頭がいいっていう偏見のせいで任命された。
私は全然頭だって良くないし、雅哉とはま逆なのに。ほんとは委員長なんてやりたくなかった。
雅哉はと言うと同じクラスに目立ちたがり屋の子が多いらしく、その子たちに委員長、副委員長を譲ったらしい。
私のクラスはやりたい人がいなかったから、推薦になっちゃったって訳だ。
「もしかして気持ち悪かったりする?顔色すごい悪いけど」
「うん。全然平気だから気にしないで」
清水くんは私の顔を覗き込む。もしかて私そんなに態度に出てたのかな。今だけは雅哉のこと忘れなきゃ。
「良かった。じゃあ行こっか」
「うん」
椅子からゆっくりと立ち上がる。今だって膣がきゅんってして苦しいし少し濡れてる感覚が気持ち悪くて、それを我慢するのに精一杯。こんな状態で会議なんて無理。委員長なんて引き受けなきゃ早く家に帰れたのにと酷く後悔する。
「やっぱ具合悪そうだけどだいじょぶ?息も荒い気がするし。なんかぼーっとしてる」
清水くんは察したのか私に声を掛けてくる。私自身も無意識で気づかなかった。
「なんともないから大丈夫だよ」
「ほんとに?」
そう言って私の顔を覗き込んだ。そして背中をさすられる。急に触られてびっくりしたと同時に変な声が出てしまう。
「ひぅ………!?」
慌てて唇を噛み締めるけど間に合わなかった。