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fou d’amour

第4章 刻まれた呪い


次の日、私は早めに学校に登校することにした。なるべく雅哉とは家の中で顔を合わせたくない。

いつものより1個早い電車に乗ろうと、早めに身支度を済ませる。まだ雅哉は起きてこなさそうだ。

なるべく音を立てないようにして家を出た。



***

電車に揺られながら思い出すのは昨日の夜のこと。考えるだけで身体か熱くなって疼く。あんな雅哉、見たこと無かったから正直ドキドキしてた自分もいた。

雅哉はあんな風に女の子を抱くんだ。慣れてて嫌になったけど気持ちよかった。

そんなことを考えてたらあっという間に学校についてしまった。億劫で仕方ない。学校でもなるべく鉢合わせはしたくないなあ。

教室で自分の席につき、ホームルームが始まるまで突っ伏して寝ることにした。


「彩織ー?あんた寝てる?」

「んえ?」

誰かに呼ばれる声がして少しずつ目が覚めた。そこにはお弁当を持った咲良ちゃんがいた。

「さっきお兄ちゃんがお弁当届けに来たよ」

「ありがとう」

はい。と言って差し出されたそれを受け取った。そういえばお弁当のこと忘れてた。雅哉が届けに来てくれたんだ。でも意外。

「珍しいね。別々に学校来るなんて」

「そう?」

なんかあったの?と心配そうにしてくれる。本当のことなんか言えるはずもなくて咄嗟に嘘をつく。

「喧嘩しちゃってさ。気まずいんだよね」

「そうなのか〜」

仲良さそうなのに、喧嘩するんだと笑う。

「早く仲直りしてね。心配だからさ」

「うん。頑張るよ」

我ながらバカみたいな嘘。本当は喧嘩なんかしてないし、昨日の夜のことが原因だもん。
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