第3章 犯した過ち
や、やばい。私だけすっごい浮いてる……………。
他のふたりは慣れているのか、直ぐに男子と仲良くなっていて。私は一人ぼっち、隅っこでドリンクをちびちび飲みながらちょこんと座っていた。
(あーもうほんとにどうしよう。帰った方がいいかな)
ぐるぐるとマイナスなことばかり考えてしまう。異性と話したことがほとんどない私には少しハードルが高すぎたみたい。
そんな時だった。
「早織ちゃん、だっけ?」
「んぇ?そ、そうですけど…………」
突然、1人の男子が話しかけてきた。俗に言うセンター分けでキリッとした目元、それにすっと通った高い鼻。正直ちょっとかっこいいなって思ってしまった。
「こういうの初めて来た感じ?」
緊張して声が出なくなってしまった私は、首を縦に振って意思を伝えることしかできない。
「俺もなんだよねー。あんま興味なくてさ。今日も数合わせで無理やり参加させられた、みたいな?」
完全に私と一緒だ。少し親近感が湧いた。
「私も、同じかんじです………」
「ははっ。やっぱり?」
そう言って笑うこの人。
「あー。俺の名前わかる?」
「すみませんわかんないです」
自己紹介の時、頭が真っ白だったから覚えるどころじゃなかった。
「はやた。颯に太郎の太って書くんだ」
よくそうたって間違われるんだよね、なんて困ったように笑う。
「そうなんですね?」
「うん。もしかしてだけどさ、早織ちゃんって異性苦手な感じ?」
「え?」