第3章 犯した過ち
「俺と話してても全然目合わせてくれないからさ?」
苦手とかじゃなくて、免疫がないだけ。慣れないから目を見て話せないの。
「苦手って言うか、慣れない?みたいな。あんまり男子と話したりしないから………」
「なにそれ、うぶでかわいいね」
早織ちゃんみたいな子好きだな。なんて距離を詰められて手を重ねてきて。初めて雅哉以外の男子に触られた気がする。
「何も知らないでしょ。俺が教えてあげよっか」
肩に腕を回されて、引き寄せられる。耳元で囁かれて何故かゾクゾクって寒気が走った。
「い、いいです。だいじょぶ、だから」
胸元を押してみたけどビクともしなくて。余計に怖くなってきた。
「そういうとこ、かわいいね。いじめたくなっちゃう」
耳をぱくって口に含まれて、びくんって身体が意を反してはねた。これも全部雅哉のせいだ。すぐに反応しちゃうのも全部。
「耳弱いの?もっと気持ちいい事しない?今から抜け出してさ」
「あ、やだ、…………怒られる、から。こわいの」
気づいたらそんな事を口にしてて。もう、反射神経なんだと思う。
「お兄ちゃんでしょ?」
「え?」
なんで、この人が雅哉を知ってるの?
「永宮雅哉。俺らの学校でも有名だよ?イケメンがいるって。その妹もすっごい可愛いってね」
「な、どういう………」
言ってる意味が全く理解できない。