• テキストサイズ

fou d’amour

第3章 犯した過ち


「俺と話してても全然目合わせてくれないからさ?」

苦手とかじゃなくて、免疫がないだけ。慣れないから目を見て話せないの。

「苦手って言うか、慣れない?みたいな。あんまり男子と話したりしないから………」

「なにそれ、うぶでかわいいね」

早織ちゃんみたいな子好きだな。なんて距離を詰められて手を重ねてきて。初めて雅哉以外の男子に触られた気がする。

「何も知らないでしょ。俺が教えてあげよっか」

肩に腕を回されて、引き寄せられる。耳元で囁かれて何故かゾクゾクって寒気が走った。

「い、いいです。だいじょぶ、だから」

胸元を押してみたけどビクともしなくて。余計に怖くなってきた。

「そういうとこ、かわいいね。いじめたくなっちゃう」

耳をぱくって口に含まれて、びくんって身体が意を反してはねた。これも全部雅哉のせいだ。すぐに反応しちゃうのも全部。

「耳弱いの?もっと気持ちいい事しない?今から抜け出してさ」

「あ、やだ、…………怒られる、から。こわいの」

気づいたらそんな事を口にしてて。もう、反射神経なんだと思う。

「お兄ちゃんでしょ?」

「え?」

なんで、この人が雅哉を知ってるの?

「永宮雅哉。俺らの学校でも有名だよ?イケメンがいるって。その妹もすっごい可愛いってね」

「な、どういう………」

言ってる意味が全く理解できない。
/ 63ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp