• テキストサイズ

fou d’amour

第2章 教えてあげる


私が問題をといている間雅哉は、私の髪の毛を掬って指を通したり。そのまま自分の鼻に近付けたり好き放題している。

さっきのより随分マシだけど、やっぱり気が散ることに違いはない。

「早織髪切るの?」

「わかんない」

「切らないでよ。伸ばして」

毛先で遊びながら雅哉は言った。雅哉ってロングがタイプなんだっけ?

「…………わかった」

元々伸ばす気でいたし、切るつもりもなかったから。

「絶対だよ」

雅哉は笑う。こんな穏やかな雰囲気を2人で過ごすのはいつぶりだろうと思う。

問題は残り半分に差し掛かった時、首筋に指先が触れた。つーっと上から下にかけてなぞる。

「早織って首弱いよね。ちょっと触っただけで感じちゃうもんね?」

「感じてなんか、っ」


髪を退かして無防備になった首筋に吸い付いた。そのまま何度も首筋にキスを落とす。

「まさや、首ばっかり、やぁっ、だ………」

「その声興奮する。もっと虐めたくなる」

「ふっ、んぁ……ぁ」

唇から熱が伝わってくる。指先から力が抜けてシャーペンを落としてしまう。

「まさやぁ……………」

生理的な涙が滲む。雅哉の方を見ると、ごくんと息を飲んだのがわかった。

「その顔、加虐心煽るだけっていい加減学べよ」
/ 63ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp