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琥珀王子と瑠璃色灰かぶり姫

第5章 恋人 - 定義と認識 2*



切ない声を出し静の首にしがみつくと、透子を抱いた彼が体の向きを変えた。
タオルを引いた湯船のへりに降ろし、重なったまま静が体を倒していく。

耳や首すじ、胸元に数え切れない口付けを受け、透子が蕩けていった。
伸ばした舌先で胸の尖りを拾い、小粒なその周囲を繊細に舐めあげる。

濡れた布越しに昂りが腿に当たる。 今朝のことを記憶していた女の体が本能的にそれを求めた。

「………そんなに擦り付けられると困る。 体を開きなさい」

内腿に手を添えられただけで、すっかりと高まっていた透子はすんなりと両膝を離した。

「────美し過ぎて目眩がしそうだ」

上体を起こした静が、斜め上からじっくりと透子の全身を舐めるような視線で撫でた。

木漏れ陽が桃色がかった肌に降りかかる。
それは薄いベールのように肢体を彩り、眩しげに静が目を細める。

肩や胸、腰や腹。
開かれた両脚とその間を。


静の視線が動くたびに、透子の唇の間から甘い息が吐き出された。
背も低めで胸が大きい訳ではない。
けれども透子を見詰める静は視線を離さないのだ。

「こんなものに触れられるなら、なんだって捧げたくなる………欲しいものを言え。 買えるものも買えないものも。 それが俺の喜びだ」

静が爪先で中心線をなぞり、臍の周りを一周する。
もどかしく、心地好く、自分の心の内を表せなかった。

「静さん………の、も…見たい、です」

お互いの姿をさらけ出すこと。
彼の全てが見たいと、透子も感じていた。
途切れ途切れに言った透子に、濡れた髪を掻きあげた静が腰のタオルを外す。



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