第5章 恋人 - 定義と認識 2*
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家の地下にはトレーニングのためのジムスペースがあった。
「食後の運動としてはちょうど良いのじゃないかね」
話の流れで、健全に汗をかくことにした。
静に器具の使い方を教わりながら、一通り体を動かす。
たまに静がベンチプレスの上に手を乗せ、余計に負荷を掛けたりと悪戯をしてきて、そんな時間がむしろ楽しかった。
全てにおいて透子より重量がある器具を使う静に、『静さんも、ゴリラなんですね!』と透子が嬉しげに言うので、彼が不思議がる。
周りの目を気にせず、汗を流すのはやはり気持ちがいい、とあらためて思った。