第4章 恋人 - 定義と認識 1*
息を詰め、何度かそこから逃れようと体を動かそうとしたが無駄だった。
深く重苦しく、だがどこか甘い痛みを感じる。 初めての時とは違うと思った。
透子の両脇の手の甲に手のひらを重ね、指を絡めていた静がやがて進みを止めた。
「んッ…ん、っふ…んん……」
そのままの体勢を保ったまま静は動かなかった。
そのせいで、隙間なく膣道に沿う男性器が、ドクドク脈打っているのが粘膜越しに伝わってくる。
上半身を倒してきた静が耳に顔を近付けてきた。
「────今一度訊く。 キミは俺のなんだね?」
「ん………」
「酷くされたくはあるまい」
撫でるような静の声色だった。
やや強引だった今回の愛撫や挿入を思い起こし、透子の表情に焦りがにじむ。
「こ、恋…びと………です」
「そうか。 なぜすぐにそう答えなかった?」
「………分かり…ませんけど、あっ…恥ずかしく…て」
「ほう、本当に?」
拍動だけではなく、時おりビクンと腟内を小さく抉られ喘ぎを漏らす。
「う…だか、ら…もう…あっや、優しくして下さい…っ」
それが自分の中で更に硬く大きさを増していってるような気がした。
「優しくもなにも………そう強ばって締め付ける初心な反応はいいが。 そうされると、ますますこちらが滾る。 最近はキミのせいで欲を絶っていたし」
「そんっンん…あっ…あっぁあ……はあ」
一旦腰を引いた静が先端までそれを抜く。