第4章 恋人 - 定義と認識 1*
指先の関節が、膣内の一点を僅かに押し込む動作に変わる。
ビクン、と腰が揺れた。
透子の湿りかけた瞳が大きく見開かれる。
「…ひ……っぅあ」
「この場所でイッただろう。 思い出したか」
「あっぁあ……いや…違…嫌」
自分の顔を見られないよう、透子がシーツに押し付けて首を横に振った。
「まだ嫌だなどと? 俺の指に絡み付いてるのはなんだ」
静がそんな透子を辱めるのを止めない。
まだ昼にもなってない時間帯。
カーテンも引いてない、明るい室内でこんなことをするのは抵抗がある。
さっきは素っ気なかったのに、今の彼はいつもにも増して遠慮がないと感じた。
そして意地が悪い、とも。
奥深くに埋められた指の腹が膣圧を抉り逆らいうごめく。
根元まで愛液で光る指を器用に動かし、静はわざとくぐもった音を鳴らして透子に聴かせ続けた。
「………嘘つきめ」
体内からは徐々に圧迫が薄れていき、その感覚は否応にも先週の車内での行為を思い起こさせていた────耐え難い疼きが消え、甘い痺れや熱で満たされたあの鋭い快感を。
「ん、んう……っん」
「どんどん柔らかく吸い付いてくる。 もう一本」
増やされた指がヌルル…と進み片方に沿い、静がそれらを腟奥で押し広げていった。