第18章 死がふたりを分かつとも
「………たしかに俺の責任だ。 だが俺の種の濃さはキミへの愛────それは置いておいてだ。 いくら俺が天才でキミが秀才とはいえ、24歳と21歳が会社を治めるなんて対外的にも良くないのだ」
微妙に序列をつける静の物言いも気に食わないが、それはあながち嘘ではない。
対外的なものに加え、透子自身、静ほどの威厳も実力も自分に無いことは既に身に染みていた。 そしていくら頑張っても、自分に取りこぼしがあるとそれは静の負担となる。
「それは思います。 ベンチャーじゃあるまいし。 ですが今から誰か探すということですか」
「以前から考えていた。 奴しかいない」
スッと細く開けられたドアを見ながら静が口を開く。
寝室に散乱したクッションを片付けつつ、透子はうーんと話しながら考えた。
「ええと? どちらにしても機械類に明るく語学堪能で不規則な生活にも負けない体力があり、さらに欲をいえば、静さんと私にイマイチ足りない落ち着きと常識と社交性に富み………」
「居るだろう。 ピッタリの人間が」
「あ」
立ち止まった透子がポンと手を打った。