第17章 I love you と言わない*

膣内の痙攣が止まらない。

皮のソファーから浮いた足先を丸め、ガクガク震えながら透子の視界はパチパチと弾け続けていた。

「はっ…は…あん、んんうっ……！！」

「これで止めるか」

「いっ……え。 大丈……」

「そうか。 いつでも達せる気がするのだが、反面ずっとこんなキミを見ていたいような……キミを抱くと俺はとても不思議な気分になる」

自分もだ。
体の芯を満たされている彼をずっと離したくない。
ぴったりと肌を合わせ、時に自分への情欲で余裕がなくなり、慈しんでくれる静の表情を見ていたい。

「し、静さん」

「ん？」と返事をする代わりに彼が唇を軽く重ねてくる。
ふと胎内への刺激が和らぎ、透子がほうと息をついた。

「お帰り…をお待ち、して………愛して、ますから…寂し、ですから」

「分かった」短く答えた静が透子の両膝を揃え折って掲げた。 秘肉がぴっちり合わさり空に浮いた蜜穴へずんっと硬い茎を打ち付ける。
奥をドスドス叩き、それは子宮はおろか、内臓までも揺さぶられるような錯覚を覚えた。

「っん！！……ひっあ、ああっ！！」

肌が重なる音が鳴り終わるのも待たず立て続けに深く貫いていく。
強烈なピストンが襲い来るそのたびに脳まで響く。

前戯にしては強い、挿入を伴った先ほどの行為のお陰で透子の体は静の形に蕩けて馴染みきっていた。
そのせいもあるが、下半身をがっしりと固定されてるせいで抵抗出来ない。

「っさんざ意地を張った上でのそれか。 察せれなかった俺もまだまだだな。 まあいい。 望みどおりキミの内部にも十分に俺の跡をキッチリ刻んでやろう…！」

「……っ！！ んっ……ッッ！！！ ────っ！！」

「早々に潮など噴いてる場合じゃないぞ？ 挑んできたのはキミの方」

などという高ぶりを増した静の声が遠ざかっていく。
一体これはなんの勝負なのだろうか。 まともに声も出せなかった。
止まない胎内の激震に叩きのめされた透子が次々とねじ込まれる剛直に全身で身悶えた。

「────……っ！！！」

「止め…るか……？」

答える余裕もない。 だが、その間中に刻まれるのは激流のような彼の想いだ。

透子は首を横に振り続けた。
ただ溶けて弾けていく。

思うがままに激しく体を揺さぶられ、あっという間に透子の意識が沈んでいった。