第17章 I love you と言わない*
「でも………」
それでも、西条はちゃんと三田村と距離を置きつつもわざわざ足繫く会いに行ったりしているし。
挨拶を返した彼女も嬉しそうな顔をしていた。
「どうした?」
「静さんは違うんですか? 静さんのこ、恋人は…私が初めてだと、桜木さんから聞きました。 過去や本性などは置いておいて、私は西条さんも三田村さんに…そういう相手に出会えたのかと思ったんです。 それでは静さんにとって私も過去の女性も、結局は同じということなのでしょうか?」
「透子。 俺とこの話は関係ないだろう」
いじけて横を向き、ずっと前を合わせている透子の手を静が取った。
「い、嫌です」
「本心ではないな? 俺はキミを何よりも愛している。 知っての通り、Loveなどという言葉はアイドルや服の柄にも使われているものだ。 そんな位置に俺はキミを置かない。 きちんと母国語で伝えている。 それが俺の唯一だから」
そうはっきりと言われるも、透子は静の顔を見れなかった。
自分の内心は歓びで満たされているくせに。
「抗いたければそうすればいい」
体をまたソファーの上に下ろされるのかと思うと、静が一度透子を自分の側に寄せ、腕が透子の腿へと降りていく。
スカートをめくりあげた手がショーツにかかり、それを引き下げていった。
「あ、嫌」
蜜口にぴたりと狙いを定められた先端の感触が分かった。
「いやあ……あ…あ」
体を重ねたまま静がゆっくりと透子を倒していけば、それと一緒に剛直が潜り込んでいく。
「嫌ならばこんなにすんなりと俺を迎えられるはずがないだろう」