• テキストサイズ

琥珀王子と瑠璃色灰かぶり姫

第17章 I love you と言わない*



報告してくる西条の顔はユルユルである。

「でも、手を繋いだだけですか?」

「それも静の影響だなあ。 そういうんじゃなくってさ。 手順を踏んで気持ちを確かめてさ、触れ合っていくのが真っ当な恋愛じゃないかな? でもさ、山梨のあんな田舎だと、静なんて青姦とかしたりして」

ハハハッと笑う西条に透子があからさまに赤面した。

「円花ちゃんはとっても繊細な子だから。 こう、今の大きな」

「いたっ」

狭い車内で西条が両腕を広げたので透子の肩に当たった。

「あ、ゴメン。 大きな『Like』が、寄り添っていく心とともに『Love』になっていくって過程。 それを大事にすべきだよね」

ユルユルな西条がうっとりとした表情で語り続けた。

「はあ」

若干ウザいという気がしないでもない。

たがそう言われてみると。
静と………自分たちにはそんな過程はあったのだろうか、透子は改めて考えた────静には西条の発言などどう言っても一蹴されそうだが。



/ 457ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp