第16章 大人の遊戯*
「先ほどの続きだ。 話したまえ」
「っえ…」
ほう、と満足げに息をついた静がとりあえず情動が治まったのか今はゆるやかに動いている。
「これぐらいのペースなら会話も出来るはずだ。 いい景色も楽しめるし。 せっかくこんな所で開放的に愛を交わしているのだから話しやすいだろう?」
その内容を薄らと思い起こしそれでも透子が黙っていると静がぱちゅんっ!とキツめに強要を促してくる。
「んンッッ!」
「ほら早く?」
息を整え、もごもごと透子が口を開いた。
「あっえ…っあ、わ、私…は…三田村…さん…みたいに」
静の動きが止まった。
「三田村? なんで彼女が出てくる」
「し、静……さん…を守りた、く」
あの二人には体の関係はない。
けれども西条は三田村に身を委ねていた。
強い三田村が素敵なのだと、そう言っていた。
「俺を……? そんなことを急になぜ」
静は最初から自分で立っている。
ここのオーナーからも信頼され………一方、自分はいい所、彼女かマスコットぐらいとしか他人に思われていないに違いない。
「さ、西条…んが、頼りに…して、だから…私も…でもっ……そんな風に、全然っ…見られ、な」
静を見返す、それはつまりその方面で彼に頼りにされることだ。 透子の頭の中ではいつの間にかそう繋がっていた。
「フン…くだらない」
だが静に一蹴されてしまい、がっかりと透子が頭を落とした。