第16章 大人の遊戯*
「そのオモチャで届かない所は俺にはないはずだが。 ああ、水の流れる音が聞こえてきた。 向こうの方角だ」
クルッと旋回した瞬間にソフィーからずり落ちそうになり透子が慌てた。
腰をつかんだ静がぐっと鞍の上に透子を押し付ける。
「んっ...!」
「惚けるのもいいがしっかり捕まっていたまえ」
かがみ込んだ静の唇がうなじに触れる気配がした。
歯が当たり、軽い歯型をつけるようにそこを噛まれる。
「くッ…う!」
体がひどく敏感になっているのが分かる。 浅い所で達してしまった透子が断続的に震えた。
「……っふ、っあ……あっあっ…ンハァ…」
「フ…キミは体だけは素直だ。 悶えてばかりいないで目の前を見なさい」
そして目を開けるといつの間にかソフィーは制止していたようだ。
「荘厳な眺めだろう」
どこか遠くから聴こえていたような水の音。
それが段々と大きく鮮明になっていく。
同時に自分の視界も。