第16章 大人の遊戯*
「ホントに何にもないですって!」
相変わらず自分を見ながら立ち上がる静の気配を感じた。
いい意味でも悪い意味でも静は鈍感ではない。 が、透子はそれを悟られたくなかった。
「………フゥン…そうか。 それでは少々刺激が足らないのかな」
言いながら、再度ソフィーに跨った静が腕を伸ばし透子の胸の下へ回した。
「ひゃ」と声をあげるまもなく、抱えられた透子が鞍の上へと座らされる。
ちょうどバイクの二人乗りのような──── 静が手綱をもっているせいで、透子的にはつかまるものがないので彼女の首に手を置く。
「静さんはここに座らないんですか」
鞍の下には白い座布団のようなものがあり、静はそこに跨っていた。
「二人分はないし、これはゼッケンというんだがクッションのようなものだから。 ちゃんと捕まっていなさい」
「えっ、はい、え! な…なっ!?」
静の手が透子のお尻をスルスル撫でている。 というか、タイツとショーツの中の肌を直接。 「こんな所で何を」と言い避けようとするとソフィーが怪しげにピクリと動いたので透子がそのまま固まった。
「動くとさっきみたいに落馬するぞ」
静にそう言われ黙るも、どこかで覚えのある硬い感触をそこに感じた。
片手で腰をあげさせられたと思うと「ん!!」透子がくぐもった声をあげる────この、後ろから中に入って来ようとしているこの硬質な感じはまさか。 たしか桜木の時の………?