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琥珀王子と瑠璃色灰かぶり姫

第16章 大人の遊戯*



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『篠田総合農園』という、牧場や畑などが併設された建物の中ではテラスでバーベキューが楽しめるという。
静が手を出そうとすると「私やりますから」と言われるので所在なさげに席についている。

そんな彼を放置し、透子はせっせと焼き奉行に精を出していた。

「普通、こんなものはホストがやるものだろう」

静がどこか落ち着かなさげに口を出してくる。

「そうなんですか? 大体静さんは男女とかホストとかにこだわり過ぎです。 さすがにお肉が美味しいですよね!」

そんな風に手を動かしながら、透子はここに着いてからつい先ほどの出来事を思い返していた。




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「これはこれは八神社長。 お待ちしておりました。 ここへは二年振りですね」

駐車場で車を降りた静が、出迎えてきた人に向かって「構わなくていい。 あくまでも今日はプライベートだから」と断りをいれた。

敷地内にある建物には屋上階のレストランの他に、ここの資料館や展示室もあるらしく、迎えに来た年かさの男性と静が透子の先を歩きながら話していた。

この男性は篠田といい、牧場と同じ名前の彼がここのオーナーという話だった。

「近頃は飼料の値が上がり大変だろう」

プライベートといっても流れはやはり仕事の話になるのかもしれない。



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