第15章 届かない天空をのぞむ*
もう片方の胸を弄んでいた指達がせばまり、ほんの少し強く、上方に引っ張っては離れるを繰り返す。
元々透子の先は男の指の腹でつまめるほどには大きくない。
だから上に引くもすぐに指を滑り元の場所に戻ってしまう。
透子の体や表情にじっと見入り、目を細めた静がクスリと口の端をあげた。
「セックスでもキミは手間がかかる」
「はあっ…あっあ」
右の胸に舌が滑ると溶けそうになる。
「あ、だめ…っっ」
特に乳頭を押し込むみたいにすぼまった舌で強く突かれるとビリビリした刺激に腰まで浮かされた。
そんな快感に酔うを任せていたら、いつの間にショーツの中に這う手のひらを感じた。
それは難なく股の間をヌルン、と通り過ぎ膣口の辺りで指先が停止する。
「あ…っは…ぅああ…っ」
「車内ではよく頑張っていた………そのせいで、久々なのに指が三本でも入りそうだな? さっきは何と言ってたか。 ああそうだ、シャワーか」
何本かの指先がごく軽く挿入を試みては引いていく。
その際に静の指の根元が微妙に肉芽を挟んでいる。
くちくち愛液を混ぜて動くたび、早々に透子の喉から間隔の短い喘ぎがもれた。
「あっ…でも。 も、もう…イき」
それが欲しくてつい、床からお尻を離した透子がもっとと刺激を求めた。
「その前のキミの返事を聞いてない」
それは答える前に静が触るから。
無理やりに理性を引き戻した透子がじとっと静を睨んでみると、またいやらしい言葉での倍返し。
「俺の手がグチョグチョなんだが、このまま一度イくか?」