第15章 届かない天空をのぞむ*
「フン。 数値などは比較対象としては馬鹿馬鹿しいが、俺の知能指数は六歳時で180だ。 身体能力はキミも知ってのとおり。 だてにケンブリッジを二年飛び級したわけじゃない」
「そ、それでも桜木さんには敵いませんよね?」
静が口を閉ざした。
これはさすがに効いたか。 してやったりと透子が思い彼を見るも、すっと通った鼻をつんと上にあげ、ことも無さげに言葉を返す。
「あれは俺にとって姉のようなものだから。 やり合う気など起こるわけがない。 キミもそうだろう? ああ、ホテルの浴室では随分と淫靡な光景を楽しませてもらったが」
静の口の端をゆるませた倍返しに、透子の顔が一気に火を噴きそうになる。
「………っ、見、あれを見て……っ!?」
「俺はあまりキミとは関わらないつもりだったのだが、桜木が煽ってきたのかな。 こちらにも通信を送ってきたのだ。 録画をしておいたが、体を桜色に染めて悶えるキミに二桁は世話になった」
録画すんな。
っていうか、桜木さんってば………!!
膝の上で握りこぶしを作り恥辱に耐える透子をチラリと見、静の琥珀の瞳が意地悪げに光る。
「透子? あの作り物は俺より悦かったか」
あんないやらしくてボコボコして気持ちい…いや。
桜木が絶妙に上手く動かすから……いやいや。
「………そ、そんなことは」
「長さや太さは? あんなに長時間感じていたのだからキミに合っていた?」
「う……そう、ではなく…」
すすす、と腿のあたりに静の手が伸び、上下にゆったりと撫でていく。