第11章 奪い、与え、守る*
それよりも、透子の体に全く力が入らないというのが正直なところだった。
ただ秘肉を中心に、表面の肌や粘膜、それから乳首と………それらがチクチクするなにかで刺されてるような、むず痒い感覚を感じていた。
布地の上から軽く指先でつつかれたり、ほんの数センチ撫でられたり。
その時に反射的に足先が揺れる。
「ん………どれ。 もう蜜口から透明な雫が盛り上がって。 ここも敏感に?」
「ゃっあっ!!」
つぷ、と浅く指先が埋まる。
過敏になり過ぎている粘膜には爪やその間、指紋の感触までも強過ぎるものだった。
上にずり上がり逃げようとする透子の腿を静がつかむ。
透子の視界が歪んでいた。
壁が渦を巻き、窓枠がぐにゃりとした曲線を描き、ガラスが液体のごとく溶けていく。
誰が、とか、と何が。 という訳ではなく。
まるでどこかうかがい知れない場所に連れていかれそうな、言いようのない不安や恐れが透子を支配した。
「ひ……っあ…あ……た、すけ…あ、あ───────っっ!!」
膣襞を掻き分け、太い熱が透子を開く。
肉襞をズリズリと掻き出す強烈な感覚は透子から思考を奪った。
重苦しい筈のそれはえも言われぬ浮遊感を伴い、脱力した自分の股から何かが繁吹いた。
「あっあ…は…アンっ」
「最初から柔らかい。 近頃のキミはいくら愛撫をしても前ほどは応えてくれなかったから………良かった。 これは気に入ってくれたか」
その囁きや動きが、時を刻む唄のように透子に入り込んできた。
享楽を表すヨガリ声のみが透子の喉を通る。
「ああ♡ ああ……っ♡」