第11章 奪い、与え、守る*
「とはいえ、キミの悲しむ姿も見たくない。 だからこうすればキミは悦ぶはずだろう?」
何の準備も出来てない粘膜の隙間へ、力任せにこじ開けて挿入ってくる。
身を守るために伸ばした透子の手首を、昨晩と同じく彼が制してシーツの上に縫いつけた。
「────ッ!!」
「現に………ほら。 こうしてもキミは出て行かないようだし。 きっとキミはまだ、慣れなくて分からなかったんだろう。 震えなくていい。 俺は怒ってる訳じゃない」
割り入ってきた胴をぐぐと落とし、内側に薄膜が巻き込まれ引きつれるのが分かった。
酷い苦痛でしかなかったが、透子は唇を噛み締め声も漏らさずにこらえた。
生理的な反応として、徐々に徐々に自身が潤って来ているのが分かった。
それでもただのゴツゴツした物体が、絶え間なく体内を行き来しているだけだ。
それが終着に達した際に体ごと押し上げられ、喘ぎと似た呻きが唇の間から漏れ出た。
「私、は…静さん、が………好きです」
涙が頬をつたい、静がそれを優しく舐めとってくれた。 いつもの彼だ、と透子が彼の名を呼ぼうとする。
「静」
「もうそんな不確かな言葉は口にしなくていい。 信用なんてものも。 キミはただずっと俺の傍にいればいいのだから」
「………」