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琥珀王子と瑠璃色灰かぶり姫

第11章 奪い、与え、守る*



****
日没から間もなく、晩秋の長い夜が始まろうとしていた。

「夕食は軽くでいい。 透子は風呂でも入っているのか」

「………と、いいますか」

ダイニングチェアに腰をかけた静が、少々困惑顔をしている青木の視線の先を追う。

「静様。 お帰りなさいませ」

他の従業員と同じく黒の地味なメイド服に身を包んだ透子が、ワゴンを運んできた。

「───────……」

驚いてる、驚いてる。

「お口に合うかどうかは分かりませんが、たまには趣向を変えまして」

和え物や煮物といった料理を静の前に並べながら、いつもの食事のように料理人を真似、一品一品簡単な説明を加えていく。

「………何の遊びだ?」

若干笑いを堪えた静の声を久しぶりに聞いた。

ちなみに服は美和から借りたものだ。
桜木のは胸が余り過ぎるし、三田村のものは丈が長すぎて、パンツが袴みたいになってしまう。

「遅い食事ならば、消化の良い物をと思いまして」

「これをキミがか? しかし俺は、手料理に有難がる性格ではない。 プロが作ったものに勝るものはないのだし」

相変わらず可愛くない。
まあ、正論だけれども。

「そうおっしゃらずに」

無理やりと引きつった笑顔を作り、心の中で早く食えと促す。

「大体キミには他にもする事が」



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