• テキストサイズ

琥珀王子と瑠璃色灰かぶり姫

第8章 満天の夜に



つい、と透子の手を取った静が話し始めた。

「国立に置いてる自家用ヘリだ。 この辺なら良いだろう。 それで、言動………は、改造したこのリングだな。 俺のと同様、体や位置情報…の他に、実は盗聴の役目もある。 ここでの出来事は青木が青筋立てながら録音していた」

自家用ヘリ、とやらが急に高度を落として来、辺りにプロペラの音がやたらと大きく響く。
そんな中、透子が声を張って静に訊いた。

「と、う聴………って、…そんな事はいただいた時には全然!」

「この俺がただの指輪を贈るとでも?」

なぜ得意げ?
盗聴なんて、黙ってた癖に。

「覚えていないのか。 いつもキミを見ていると言っただろう」

サラッと髪を掻きあげた静に、透子が本日何度目かの呆れ顔を向ける。

バリバリというエンジン音も相まって、強風と轟音の中。
ヘリが地面と水平に距離を保って揺れながら停止し、外側にドアがバン!と開かれた。

「透子様! 少し早いですが、お迎えに。
ささ、いらしてください!」

そこから大声で透子を呼んだのは、軍隊のような服に身を包んだ桜木だった。
そしてなにかの映画みたいにロープで出来たハシゴを垂らされても。

「なぜわざわざコレで帰る必要が? そして降りてきてくれないんですか」



/ 457ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp