• テキストサイズ

琥珀王子と瑠璃色灰かぶり姫

第7章 閑話 百花繚乱*




「それについてはご心配は無用。 私にはすでに最愛のパートナーがおりますゆえ」

「………そうか。 良いことだ」

「ふふっ、では静様。 邪魔をしました。 存分にお励みなさいませ」

そして音も立てず素早く去っていく。

今さっき別れたばかりの、あの人たちはいつどこからやって来たんだろう。 そんなことを透子がぼんやりと考える。

「………有能であればある程、これも扱いづらいな。 女性の場合は」

「差し支えなければあの、三田村さんの懸念、とは………?」

「珍しくもないが彼女はビアンだから。 性欲を必要としない方の」

「な………なるほど………?」

世の中にはどうやら自分の知らない色々な世界があるらしい。
家に帰ったら調べてみよう、と思う透子の手首をやんわりと静が取った。

「キミは?」

「え?」

「心があれば、俺からの行為は嬉しいか? 先ほどの言葉はそう聞こえたが、俺の願望か」

そうあからさまに訊かれると返答に困るも、照れるタイミングを逃してしまう。

あとは関係はないが、閉じられた布地の間に見え隠れする、静のきめ細かでいて逞しそうな肌に胸が鳴る。

「え、いやあの………」



/ 457ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp