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琥珀王子と瑠璃色灰かぶり姫

第7章 閑話 百花繚乱*




「アメリカで医学博士号を取ってマス。 働きながらなので、一応実務は六年?────ここには三年目ですけど。 大学病院なんかよりも、お給料が良いんですよお。 時々オペのお手伝いには行きますケドねえ」

「………」

一体幾つなんだろう。
経歴も凄いけれども。

きっと美和や三田村はもちろん、桜木さんという女性も仕事の出来る人なんだろう。
感嘆を隠せず透子が声をあげた。

「なんというか………皆さんのように優秀な方を傍におけるなんて、改めて静さんって凄いんですね」

「国内外を合わせて30を超える企業に君臨されるお方ですし………私はあの方に恩もありますから────静様曰く、無能を100人置くよりも有能な者が数人居れば良いと。 至極合理的と思いますわ」

「経費としても安上がります」

「あんなヒトにそう褒められちゃ、デスよねえ。 最初はメイド業にも抵抗ありましたケド、コレはこれで気分転換に」

「美和さん? いつまでも気分転換じゃ困るのよ。 貴女が割るお皿の枚数を計算していた青木様が、今朝も頭を抱えていたわ」

表情や言葉は柔らかいが、桜木の発する異様な威圧に美和がピッと姿勢を正す。
この人はきっとSPの方なのだろう。 そう透子が察した。


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