第6章 針
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なにやら体を濡れたもので撫で回されているような。
瞼の裏の向こうがやけに明るく、今は日中なのだとそう感じた。
「ッんぅぅぅ…っ!?」
瞬間、体の一部がきつくすぼまる感覚に驚き、透子が目を見開いた。
天井の高い明るい室内。
両足を開いた体勢をしていて、静がそこからじっと透子の顔を見ている。
まだ眠気覚めやらぬとはいえ、この、気だるくジンと甘く痺れる感じは覚えがある。
「ん、……はぁ……? なに、を」
「………寝てる時に悪戯しても達するものだな」
自らのその部分に、覚えのない湿り気があった。
「え………私、えっ!?」
いつの間にかショーツを脱がされていたようで、大きくはだけたスカートの中がスースーする。
薄桃に光る唇を自らの舌で拭い、静はまさに捕食者そのものの表情をしていた。
「キミのかわいい寝顔と、ささやかに悶える両方を楽しめた。 なかなかにいい目覚めだろう?」
待って何これ。 寝てるときに?
疑問符が透子の頭を駆け巡り、ベッドに膝を立てた静が夜着のシャツを脱ぎすてる。
「昼まではたっぷりと時間がある。 昨日、中途半端だったせいだ」
ぐいと片膝を開かれ、胴を入れた静が潤みに指を這わせる。