第6章 ろく
「さんの、騎士」
洗い物をしていると、横に来た梓さんがそれを拭いてしまっていく。
ボックス席にめを向けながら、私に言うから思わず皿を割りそうになる。
「私は、やっぱり、職場の仲間としては、安室さんを贔屓して応援しますけど、でもさっきの萩原さんも最高に騎士でしたよね!
で、さんは、どっちなんですか??もしかして、松田さんって可能性も??」
「何言ってるんですか、ないですよ!3人ともないです。
そういう意味で、梓さんが言っているなら、
…本当は、
今は、恋愛したくないです。って言うのが答えです」
「そっかぁ、残念。まぁ、でも、いつでも聞きますから、何かあったら教えてくださいねっ!」
梓さんに曖昧に返事をする。
ヒロ以上に思える相手と出会わない限りは、
きっと
…恋にすらならない。
それから松田君は例の如く事件と呼び出され、例の如く急いで帰っていった。
ボックス席の分のお会計と10000円を置き、お釣りはハギに渡しておいてくれって。
こう言うとこ、男気あるよなぁなんて思いながら、ジップロックにお釣りを分けておき、後で萩原くんに渡そうと用意しておく。
それから、他の4人は2時間くらい滞在した後、ようやく帰り支度を始めた。
お客さんがちょうどまばらになり始めた頃だ。
「、お会計」
萩原君が近くにいた私を呼び止める。
「あぁ、それなら。松田君がみんなの分も済ませてくれたよ、はい。これ、おつり。萩原くんに渡しておいてって言われた」
「さすがだねぇ、じんぺーちゃん」
「ふふ、うん。私も思った。でも、すっかり意気投合してたね、…谷原さんや昴さんと」
「まぁね、俺、人たらしみたいだし」
「自分で言っちゃうあたり、さすが萩原くんだよ。…あと、ありがとうね。守ろうとしてくれて、」
ぽんぽんっと頭に手が載る。
「言ったでしょ、騎士って。これくらいなら、まかされて〜っじゃあ、また来るよ」
ドアの先で待ってた3人と合流して、コナン君は昴さんと谷原さんは萩原君とお互いに別方向に帰るのが見えた。
本当に、意気投合したんだなぁなんて、鮮やかな青が去るの見送る。
また色が分からなくなる。
…変なの。
「さーん、こっちお願いしまーす」
「はーいっ」