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夕刻、貴方の影を探す

第6章 ろく


 「雇われの騎士ってとこかな。虫除けってーの?ほら、ちゃんかわいいから」

 まさかの返事に喜ぶのは、梓ちゃんくらいで。

 「え!まさか、萩原さんさんのこと?!」

 なんて、変に勘繰って静かにきゃーっと言ってる。

 「冗談はさておき、君本当にちゃんの友達?
 名前教えてくれる?」

 これ以上温厚な萩原君がドスの聞いた声を出す前に、と、ぐいっと服の裾を引っ張る。

 萩原君の肩越しに、少し悲しそうな顔をしたあとすぐにニッコリと笑った谷原さんが見える。

 「"谷原航平"よろしくね、萩原さん。
 下の名前なんていうの??」
 「研二」
 「おっけー、じゃあ!ケンジだ!!」

 怪訝そうな顔をした萩原君。

 「コナン君の友達の昴と友達の俺。
 俺の友達の昴と友達のコナン君と友達のの友達のケンジ。
 つまり君も友達ってことだ!」

 ばっと振り返った萩原君。

 その顔に苦手という文字が見える。
 同族嫌悪かな?

 「ははは」

 萩原君のおかげか、だいぶ目眩もおちついて。
 谷原さんを見ても先ほどと同じ鮮やかな青である事は確かなのに、目眩をするほどのことではなくなった。
 落ち着いた、青に見えた。

 「ハギ、なにしてんだよ」

 いつのまにか、トイレに入ってた松田くんもそこに合流する。

 「んーん、騎士してたら新しく友達できたんだよ」
 「へぇ、」

 見定めるように、全身をくまなくみた松田君が言う。

 「わけぇな」
 「わけぇって他にないの?陣平ちゃん。
 こっちが谷で、そっちが昴だってさ。コナン君と友達らしいよ。あと、とも」
 「ふーん………ま、ボーズと1番仲良いのは俺だ。覚えとけ」
 「はーい」
 「ちょっと、松田刑事。ボクのこと巻き込まないでくれない?」
 「てか、陣平ちゃん、俺は?コナン君に負けるの??」
 「すまない、ハギ」

 茶番を一通り見た後、声をかける。

 「はい、他のお客様のご迷惑になるし、騎士発言したせいで梓さんが変な勘違いしてるし、意気投合したならどうぞボックス席へ」
 「そうですね、萩原さんと松田さんのご注文の品も出来上がったところですし、どーぞ」

 と、結局コナン君も含めて男5人でボックス席に向かうなか背中を見送る。

 「安室さんかと思ってました」
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