第6章 ろく
その時、またドアベルが鳴って。
入って来たのはコナン君。
「あ、こんちには!姉ちゃん!安室さんっ」
「コナン君、こんにちは」
いつも通りカウンター席に座ろうとしたコナン君を呼んだのは松田くん。
「よぉ、ボーズ、こっち来て一緒にくわねぇか?」
「松田刑事?!どうして?!」
「ぜ、ぜひ来いって。この間アムロが言ってたんだよ」
ゼロって呼びそうになったのかなと、思いつつそのやりとりを見る。
「萩原さんまで?!」
「やっほー、俺は陣平ちゃんの付き添い」
…って、2人とコナン君知り合いだったの?
やけに松田君が嬉しそうだ。
「萩原君と松田君コナン君の知り合いだったの??」
「事件現場で何回かな。って、お前も知り合いだったのな」
「本貸してくれたの、コナン君が」
「やっぱりこのコナン君だったのか、に本貸したの。って、ポアロの常連なのか?」
萩原君と話をしながら、爆弾処理をする萩原君とも顔見知りなんて、相当な場面をこんなに小さい体で乗り越えてきたんだとコナン君を見ながら思う。
「僕の家、この上の毛利探偵事務所だから」
「なるほど、そういやそうだったな」
松田君、コナン君のこと気に入ってるんだな。
子供好きそうには見えないのにっと、少し失礼なことを思いながら違うテーブルに注文で呼ばれてそっちに向かう。
だから、聞いてなかった。
2人の誘いを断っていた、コナン君の話。
コナン君の待ち合わせの相手。
「すみません、さん、梓さん。電話なってしまって、急な依頼かもしれないので、少しだけ席を外しますね」
申し訳なさそうに言った安室さんが、奥へと消える。
「ちゃん、注文頼むー」
萩原君に呼ばれて、注文を受けに行く。
「ランチセット二つと、コーヒー二つおかわり貰えるかな?」
「はい、かしこまりました。コナン君同席じゃなくて良かったの?」
「知り合いと、待ち合わせなんだって。振られちまったよ」
「あら残念」
「あと、追加で坊主になんかデザート。俺の奢りで。前回事件で助けられたからなー」
「はーい。本当に気に入ってるんだ、コナン君のこと」
「松田はコナン君推しだからなー。弟子にしようとしてるもんな」
「警察なったら有望だろ?投資だよ」