第5章 ご
side 0
「と言うわけで、彼女がだ」
「例の」
「あぁ。僕の協力者だ。…同期と僕の大切な幼馴染なんだ」
「…」
「はは、風見が言いたいことわかるぞ。
本当は巻き込みたくないさ。…僕だって、こんな仕事に」
「では、なぜ?」
「…なぜも何もない。その方が都合が良かったから。
そうだ。風見この間の件だが、」
ヒロのことを彼女に告げたのは、俺だ。
ヒロの最期をしっているのは、俺だ。
ヒロは、自分ごと携帯を撃ち抜いた。
俺と、なにより彼女を護るために。
組織に潜入している以上は、危険がつきもの。
それでも、ヒロがいなくなって
バーボンとしてそれなりに地位も確立して、やっと安定してきた。
彼女のことは、松田達同期からずっと聞いていた。
ここ数年精神的に弱っていることも、ずっと知っていた。
だからこそ、ポアロで働いてる中で、梓さんやコナン君達と安室として触れ合う中で、ここなら彼女も少しずつ社会復帰に向けてちょうどいいと思ったのだ。
ヒロがいない世界でも、彼女は生きて行かなきゃ行けない。
ヒロもきっとそう望んでる。
《を悲しませたくないなら、と別れるべきだ。絶対》
組織に潜入する前、俺はアイツに忠告した。
《を巻き込むのか?その、覚悟がヒロにはあるのか?こんなこと言いたくないけど、ヒロにもしものことがあったら、は》
俺は、幸せそうに笑う二人を見ているのが、好きだった。
《それでも、オレは今泣かせたくないんだよ。散々待たせておいて、期待させて、確かに組織に潜入する事にはなったけどさ、今更オレが手離せ無いんだよ》
ほんとうは、何が何でも止めなきゃいけなかった。
俺が、そうしなきゃ行けなかった。
《が、危険に晒されないように、オレが護ればいいだけの話だろ。
ゼロも一緒に行くんだし、もしもは、無いよ》
《わかったよ、ヒロ。お前がそう言うなら、もう何も言わない。の近くには、あいつらもいるしな。
…組織は何があってもオレたち二人で、潰す》
《異論はないよ、ゼロ》
それでも、それを許したのは俺だから。
その責任が俺にはあるから。
「それじゃあ、風見手筈どうりに頼む」
「はい」