第4章 よん
「今、仕事中だったな」
お互いの顔が離れ、照れたように降谷くんが笑う。
「行けそう?」
「うん、」
降谷くんが車から降りて、私の方のドアを開ける。
頭をぶつけないよう、天井部分を抑えて。
「ありがとう、」
「どういたしまして」
ゆっくりと地に足をつける。
わたしが降りたのを確認して、ドアを閉める。
降谷くんが歩いた道を、私は追いかける。
「こっち」
差し出された手に、迷わず重ねる。
「かご、持とうか?」
「ヘーキ、知ってるだろ?俺、鍛えてるんだから」
「そうだったね」
「、俺片手塞がってるからさ。この紙見ながらカゴに入れてってくれる?」
「うん!」
黒く染まった感情を、降谷くんが少しずつ白く塗り替えていく。
嘘みたいに、
夢みたいに…。