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夕刻、貴方の影を探す

第4章 よん


 「それにしても、ほんと気持ちよさそうに寝てる」
 「だな。マジックでも持ってれば落書きしてやるのに」
 「意外、降谷くんもそう言うこというんだ」
 「コイツらに鍛えられたからな」

 降谷くんはご飯だけを食べ、そして大の男2人を自ら車に乗せ、運転席に乗った。

 「すごいね、降谷くん力持ち」
 「これくらい、鍛えてるから」
 「そっか」
 「それより、急に呼び出してわるかったな」

 エンジンをかけアクセルを踏む。 
 ラジオからは懐かしい音楽が小さなボリュームで流れてる。

 「ううん、私こそ。お仕事忙しいのにきてくれてありがとう」
 「安室じゃなくて、俺が良かったんだろ?」
 「うん。どっちも降谷くんなんだけど…安室さんはヒロを思い出すから、ちょっと怖い」
 「そっか……」
 「仕事、紹介してくれてありがとう。私のためでしょ?」
 「違うよ、俺の都合」

 信号が赤になって、車が止まる。

 「みんな優しくて困る」
 「…じゃあ、厳しくしようか?」
 「降谷君、スパルタだから嫌。優しいままでいてよ」
 「わがまま」
 「こんなもんだったよ、私」

 夜だから、車も少ない。

 「先にのこと送るから」
 「2人は?」
 「どうにかするから、大丈夫だ」
 「ごめんね?」
 「何言ってるんだよ、が謝ることじゃない。あぁ、けど…」
 「なに?」
 「沖矢昴には、もう会わないでくれ」
 「急に突然、どうして?」
 「どうしても」
 「でも、本返さなきゃ」
 「コナン君に頼めばいいだろ。頼む」
 「……わかったよ。何かあるんだもんね」

 降谷君のお願いに耳を傾けながら、窓に頭をあずける。

 「あと、」
 「まだあるの?」
 「谷原って奴も。気をつけてくれ、えたいがしれないから」
 「えたいがしれないって、どう言うこと」
 「そのまんまの意味だ。…俺は、が心配なんだ。ヒロに頼まれてるし」
 「頼まれてくれなくてもいいのに、」
 「とにかく頼むよ。もうあんな感覚いやなんだ。大切な奴がいなくなるって言う、感覚が。
 お前が1人傷つくだけで、俺はなんで警察やってるんだろうって思う」
 「うそつき」
 「はは。そう言ってくれるなよ、わりと本気」
 「ヒロが言ってたよ、ゼロの恋人はこの国だけだって」
 「さすが、よく見てたな。あいつも」
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