第3章 さん
そして、約束のお昼。
1時半過ぎ頃、学校から帰ってきたコナン君は鞄を置いて、ポアロにやってきた。
「くれぐれも頼むよ、コナン君」
「分かってるよ、安室さん。このやりとりもう何回目?」
「君は事件に自ら、積極的に関わってくだろう?さんがいることを考えて、今日は控えるように」
「って、しつこいよ。安室さん。大丈夫だって、コナン君は私が守るから。じゃあね。いこ、コナン君」
蘭ちゃんがしていたように手を繋ぐ。
「まだ話は!」
終わってるって。
パタンと閉めたドア。
「さんって、安室さんに対して雑だよね」
「先に雑な扱いしたのは向こうだから」
「そっか」
呆れたように笑ったコナン君。
「で、今日はどこいくの?」
「今日は、新一にぃちゃんのとこだよ!ホームズ貸すっていったでしょ?」
「新一にぃちゃん?」
「ボクの遠い親戚。いいから行こ。会わせたい人もいるし」
「会わせたい人?」
頭に浮かぶクエスチョンマークを消すように、会話を重ねる。
「へぇ、じゃあ、その沖矢さんって方が会わせたい人ってこと?」
「うん!ボクのホームズ仲間」
嬉しそうに歩くコナン君。
「そうなんだ、なんで私を会わせたいの?」
東都大の院生って、一体いくつくらいの人なんだろう。
「ボクの友達だから」
その一言に足を止める。
「そう、」
『ゼロっていうんだ!に会わせたくて!』
「うん!」
『教場の仲間にあってほしいんだは、1番の友達だから』
ほら、こんな時だって思い出してしまう。
ーーー
ーー
連れてこられた、洋風の家。
「ここだよ」
「大きいね」
「そうかな?まぁでも、工藤優作って知ってる?」
「うん、知ってるよ。有名だよね、闇の男爵とか」
「その人の家だからね」
ポカーンと口を開けてしまったのは許してほしい。
「いこ、さん」
そんな有名人の家入っても大丈夫そ?
「こっちこっち。あ、まずは沖矢さん紹介するね!」
「ちょ。まって」
「って、他にも誰か来てるみたい」
グイグイと手を引かれて、連れてこられたのはリビング。
お客さん来てるなら今じゃない方が…。
そう言おうとした時に、聞こえた声。