第2章 に
それからしばらくして、コナン君の迎えが来て、安室さんと2人きりになった。
「…」
手際よく、店じまいをする音がする。
「手伝おうか?」
と、声をかけると今日のところはお客様なので、と返される。
「いつまでそれでいるの?」
「なんのことです?」
「…」
合わなかった時間で、ここまで降谷君が変わると思わなかった。
って言うか、降谷から安室って。
婿入りでもしたんだろうか。
そう言うことなら早く言ってくれればいいのに。
「安室さん、おめでとう」
「は?」
あ、今のは知ってる彼だ。
「もっと早く言ってくれたら良かったのに」
と言うか、警察辞めて喫茶店で働くなんて。
ヒロに言ったら残念がるだろうな…。
待てよ、私立探偵もやってるって言ってた?
喫茶店のお給料じゃ、賄えないってこと?
反対?
私立探偵で稼ぎが少ないから、バイトしてるってことか?
んー、
と頭を悩ませていると、
「終わりましたよ、お待たせしてすみません。帰りましょうか」
と、肩を叩かれる。
お店の中から見えるオープンの文字を見て、立ち上がった。
「駐車場へは少し歩くんですけど、車で来てるので。送りますね」
ガラス越しに見えるクローズの文字。
安室さんが鍵をかける。
2人きりなんてあの日の夜以来で、しかもさっき色々と話尽くしちゃったこともあって、なんとなく気まずい。
ポアロから出て、しばらくいくと駐車場にポツンとえらく高そうな真っ白い車が停まってた。
キョトンとする私に、ガチャガチャと何かを取り出して、
「ちょっと失礼しますね、」
と、何やら機械を当ててくる。
「あぁ、これ、ウイルスとかを除去してくれる機械で」
なるほど、潔癖か。
粗方当てられた後、改めて助手席を開けてもらい、乗るようにエスコートされる。
ドアのところに手を当てて頭をぶつけないように、っていう執事的な配慮、人生で初めてされた。
パタンとドアがしまって、安室さんも乗り込んでくる。
安室さんはウイルス除去しないんだ?
「急に呼び出して悪かったな」
「は?」
「ん?」
「いや、口調が」
「俺は元々これだが?」
「え?てか、ウイルス除去って?」
「あぁ、盗聴器とか仕組まれてたら困るだろ?」